そんな風に感じている方へ、エンジニアとして6年間(計3社)客先常駐の働き方をしてきた僕自身の体験をもとに1つの答えを提示してみます。
「客先常駐」と聞くと良いイメージを持たない人が多いのかもしれませんが、デメリットだけでなくメリットもあります。
IT業界へ挑戦してみようかどうしようか、そんな決断の一助になれば嬉しいです。
本記事では以降、呼称のしかたを以下で統一します(業界では一般的な呼称)。
- 常駐先企業へ派遣されて働く人を「BP(ビーピー:ビジネスパートナーの略)」
- 常駐先企業の社員を「プロパー」
デメリット
- 自分の会社との関わりが薄い=帰属意識がなくなる
- プロパー新人社員の指示に従わないといけない
- 他社BPとの格差を知るとツライ
メリット
- 気楽
- 色々なスキルを習得するチャンスが巡ってくる
- 常駐先に個人的なコネができる=引き抜きもあり
Contents
客先常駐 3つのデメリット体験

①自社との関わりが薄くなる=モチベーションが下がるかも
これは一番有名なデメリットかもしれません。
仮に、あなたがA社に入社したとします。
客先常駐というのは、A社の正社員ながらもB社へ「派遣」されて表向きはB社の社員のように振る舞うことを要求されます。
当然、家からB社へ出勤しB社から家へ帰ります。A社へ出勤することは特別な用事がない限りはありません。
そして「表向きはB社の社員のように振る舞う」とは、例えば常駐先業務の一環としてシステム制作依頼をしてきたお客さん先に外出する時に持っていくのは自社(A社)の名刺ではなくB社の名刺です。
もしくは名刺がなく「本日名刺を切らしておりまして・・・」で切り抜け続ける場合もあります。
こうなると、「自分ってどこの社員だっけ?」とふと我に帰る瞬間があるんですね。
ちょっとカッコよく表現すると、アイデンティティの喪失が起きます。
自分の入社した会社を誇りに思う感覚はなかなか育ちません。
このデメリットに対する対策は、詳しくは後述しますが転職前提で「エンジニアとしてのスキルや振る舞い方の経験だけを積む場」として割り切ることです。
②プロパー新人社員の指示に従わないといけない
BP、ビジネスパートナーと言えば聞こえがいいですが、結局はプロパー社員には逆らえないので会社間で上下関係のようなものが生まれてしまいます。
それは年齢の壁すら超えます。
30才のBPが入社2年目で配属されてきた新人の指示に従う(その指示はその上司から受け継いだもの)、なんてことはどこでもあるのではないかなー、と思います。現に僕もこれを経験していますし。
業務知識や経験は明らかにこっちが持っているんですが、相手はプロパー、こっちはBPというだけでもう言うこと聞くのは必須。
これもポジティブに考えるしかないですね。逆に言えばこんな経験は普通に働いているとなかなかできないことなので笑
僕は「お客さんをおもてなしするつもりで対応する練習」みたいな感じで、これも一つのスキルアップだ!と割り切って考えていました。
③他社BPとの格差がある場合モチベーションが下がる
常駐先の現場では、大抵の場合複数の会社からBPが集まってきています。
それはそれで違う会社の人たちと仲良くなったりするので良いのですが、弊害も出てきます。
それは、他社BPの給料など待遇が自分よりも良いことを知った時です。
「は!?そんなに待遇良いんか!?」と驚くくらいBP会社によって違いますね。
常駐先では似たような業務をしているのに給料が違うことを知り、しかも自分の方が待遇が悪い事を知るとモチベーションが超下がります。
当然、優秀な人であれば納得するんですけどね。
夏休みの扱いとか、残業代が全額支給されるされない、有給が取りやすい取りにくい、そういった諸々の扱いが派遣元の会社が違えば全て違うので、BP同士で互いに盛り上がりやすい話題です(^^;
客先常駐/SES 3つのメリット体験

① 自社の監視がないので気楽
周りで働いている人が全員自分の会社の人間ではない、という状況は気楽だと感じていました。
例えば中小ベンチャーだと一般社員の視界に入る範囲に社長やら部長やら偉い人が仕事をしていたりします。
常駐だとそういう人と会うことは自社に帰社した時以外ありませんし、なんなら帰社なんて月に1度あるかないかでした。
そして常駐先のプロパーは良く言えば「自分がやるべきことをしっかりやっていればOK」、悪く言えば「BPだしいちいち何やってるか細かくチェックなんてしない」と考えていた人が多かったです。
そのおかげで1時間出社を遅らせるフレックスっぽいことができたり、自由に休憩を取れましたし、1時間半くらい昼飯で抜けても問題なしと好き勝手やらせてくれていました。
自社からも常駐先からも縛られない感覚というのでしょうか。
ただ、僕が運が良かった、という可能性もあるかもしれません。
ですが、3社常駐して3社とも自由な雰囲気でやらせてくれたので、IT業界自体が「やることやってればOK」な風潮ではないかな、と思っています。
② 現場ごとに新しい事に挑戦できてスキルアップがしやすい
常駐(SES)はスキルアップできない、という話はググると色々ヒットします。
ですが、僕はこれを否定しておきます。
技術的にも、ビジネススキル的にも、いくらでも向上できる環境は常駐しながらでも存在します。
常駐した3社全てでそれまで扱ったことのない技術に触れることができ、エンジニアとして成長できる環境にいる実感を持ちながら仕事をできたので、間違いありません。
具体的に言うと、ネットワーク監視業務の経験しかない僕にネットワーク/サーバを構築する仕事を振ってくれたり、構築業務より上位の設計業務まで教えてくれたりしました。
つまり常駐先を変えるたびに異なるスキルを身に付けられる環境に身をおくことができた、と言えます。
この経験があるおかげで、客先常駐という働き方に対し世間一般の人ほど嫌悪感がありません。
もしあなたが「技術的なことに興味がある」というのであればSESは楽しい可能性の方が高いと思ってます。
③ 常駐先にコネができて引き抜きのチャンスが生まれる
有名中堅・大手企業に就職したいなら、この手法が一番手っ取り早いのでは?と考えています。
常駐先は自分の会社より大きな会社です。業界で有名な企業が常駐先になる場合もあります。
もし、常駐先に引き抜かれてみたいと考えるなら「プロパーに気に入ってもらえるように行動」してみてください。
その方法は、普段の仕事を周りの人より熱心に頑張るだけでいいかもしれないし、技術的な探求を怠らないことかもしれないし、飲み会に毎回参加することかもしれません。
その現場の雰囲気や会社の風潮、プロパーの性格に左右される部分です。
コツは努力を見せること。爪なんて隠す必要はありません。この場合は気づいてもらえない努力には意味がないので(^^;
僕は最初の会社を辞める時にプロパーの上司が誘ってくれました。
目的があっての退職だったので結局断ったのですが「いつでも連絡をくれ、待遇は約束する」と名刺をくれたので、常駐で働いていたおかげで今の食い扶持を失っても雇ってくれる人がいるという確約を得ることができました。
他にも同じ現場だったBPが他社へ転職して、その人が誘ってくれるっていうパターンもあったりします。
いろんな現場を経験しているうちに、それなりに横の繋がりが広がる可能性があるのがSESの良いところと言えますね。
かならずしもプロパーの会社に引き抜かれた結果が幸せとは限らなそうです。引き抜きの誘いがあると自己承認欲求が満たされて「一時的に」気分が高揚しますが、少し時間を掛けて本当に今より良いのか?を冷静に、総合的に判断するように心がけましょう。
プロパー同士の人間関係や働き方をよく観察した方がいいですね。
「あの人間関係に巻き込まれたくない」と感じるなら、引き抜かれた場合はまさに当事者になるわけですし、給料が良くてもプロパーが屍になる寸前まで働いているようでは幸福とは言えないでしょうし・・・。BPには優しく、プロパー同士だと鬼のような人とかいます(- -;
転職/フリーランス前提で考えるとGood

そもそも、ITエンジニアというのは需要が尽きません。
一番最初は何の経験もないため入社先、常駐先の言いなりになることが多いかもしれませんが、1年でも真面目に経験を積めば転職でもフリーランスでも、その環境から飛び出すことはあなたが今想像するより簡単です。
それも「やろうと思えばできる」というレベルではなく「欲しがってくれる人がいる」という意味です。これは、僕自身が転職をして実感したことなので。
常駐スタイルでずっと働くことを前提に考えてしまうと「自分はこのままでいいのか?」という不安がつきまとうのでツライです。
が、最初から「常駐先では1年間経験を買うつもりでいよう」と割り切ってとりあえずその1年に集中すれば、より意味のある1年間になると思いませんか?
その先は、自分の意思で進路を選んでいけばOK。
客先常駐 デメリット/メリットまとめ
デメリット
- 自分がどこの会社に属しているかわからなくなる
- 新人プロパーにペコペコしないといけない場合がある
- 他社BPとの格差があると知るとやる気が下がる
メリット
- 自社の監視の目がないから気が楽
- 新しい現場=新しいことにチャレンジできる
- 個人的なコネができて人生が好転するかも
人間、どうしてもネガティブなことに反応しやすいのでネット上では客先常駐の悪い面ばかりが強調されているような気がします。
ですが、実際に6年間他社常駐を経験してみた結果「そんなの考え方次第」という結論ですね。
転職やフリーランスになること前提で「とにかく経験を積むこと」に主眼を置けば、むしろ客先常駐というのはアリの選択肢だと思います!
未経験からWeb系フリーランスエンジニアの道もあり
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ITエンジニアとして転職をしたところで、会社というカゴに依存し「会社というカゴの中でしか生きられない」以上不安定な人生を必ずまた歩むことになります。
事実、学ばれている方の27%の方は「現役のエンジニア」が占めています。
私たちは、あなたがプロのフリーランスエンジニアとして、本業でも副業でも好きな時に高報酬な仕事を得られ、「会社に囚われずとも自ら狩りをし、企業と対等に渡り合える」一生モノの力をつけていただくことです。
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